犬顔きゃめら
雑誌系犬顔カメラマンの雑記
グラビア印刷の校正
B&W001

Fuji Finepix F710  NC4+Nik Color Efex Pro 2.0

ここのところ雑談が続いていたので今日はお仕事の話でも。
最近良くお世話になる某編集部でのお話。

私、恥ずかしながらポジ時代は印刷についての知識が余りありませんでしたし、知ろうともしていませんでした。
しかしデジタル撮影が増えてどうもポジ時代では考えられなかったような印刷トラブルがあったり、また、自分自身データの作り方に自信が無かったりしたこともあり、印刷所に相談することも増え、またそれに伴って校正紙なども見る機会が増えてきました。
(ま、それでも一昔前に比べればカメラも優秀になり、印刷所も少しはデジタルの扱いがましになったので、ほぼ取って出しのデータでもそこそこうまくいってしまうケースもあるようですが)

で、当然良く見れば見るほど「なんじゃこりゃ」も良く見えてくるわけです。
で、先日色校正紙は良かったのに届いた本を見たらピンボケのようになっている、と言う話でクレームをつけたところ、4色の見当(けんとう)がずれてしまった(=版ずれ?)というのが主原因ではあったのですがそれと同時にオフセットからグラビアの合わせ込みがうまくいかなかった、というお話あり。
「何ですかそれ?」
ということでお話を聞いてみると、その雑誌はオフセットのページとグラビアのページが存在する。
で色校正の際に本誌と同じ紙で刷り出して校正をしているのですが、その刷り出しはすべてオフセット。
つまりグラビアのページでもオフセットで印刷をして校正していたわけです。
当然校正紙と最終印刷はかなり差があるのですが、それは編集者も承知した上で「この状態にこういう赤字を入れればこう直る」という経験則で指示していたそうです。
で、この状態を改善(?)しようということになり、このグラビアページについてのみ「デジコン(デジタルコンセンサス)」というものを使って校正してはどうか、ということでテストを始めました。
いわゆる「DDCP」の一種ですね。
で、このDDCPにも種類があって、上を見ると高いけれど網点再現が出来るものなどもあったりします。
で、今回はその印刷所でグラビア印刷のシミュレーション設定をした刷り出しです(残念ながら網点再現できないタイプですが)。

もうすでに出た号があったので、最終印刷物(本誌)と従来のオフセット校正紙、そして今回のデジコン校正紙の3種を見比べて見ました。
もっとも本誌は多少の赤字直しが入っているはずですから厳密な比較にはならないことが大前提のお話です。
で、グラビアの本誌とオフ校正紙はやはりずいぶん違います。
印刷方式が違えば当然インクなども違うので、色味がまるで違うし、オフの方がコントラストが高く、そのせいもあってかシャープな感じがします。
それに対して本誌はコントラストが低くややシャープ感が足りない感じ、シャドー部が滲んでつぶれ気味に見えます。
ま、それはある意味しょうがない部分もあるとは思いますが。
では本誌とデジコンはどうかというと・・・
これがほぼコントラストの低さや色味などはほぼ本誌に近く、オフ校正紙よりは本誌のイメージに近いのです。
若干デジコンのほうが明るく浅く出ているのが気にはなりましたが。
今までの慣れを考えなければこのデジコンを使っての校正の方が意思の疎通はしやすいかも、と思いました。
コストダウン・スピードアップにもなりますし。
編集者には戸惑いもあるかもしれませんが。

ただ、デメリットもあります。
1.校正紙は原則3枚まで。
 それ以上だとオフ校正紙よりコストアップや
 スピードダウンしてしまう。
2.網点再現できないタイプだとモアレ確認が出来ない
 (いままでこれが原因でトラブルになったことは聞いたことが無い
  と担当の方はおっしゃっていましたが)
3.オフ校正紙よりメタメリズムによる影響が大きい。
 (その確認ためにグレーチャートが一緒に刷られています。)
など。

その辺をどう克服していくかが問題ではありますが、その雑誌のグラビアページは全てではありませんが、最近の号はテストではなく本番導入を始めたようです。
メタメリズムの問題は・・・
世の雑誌編集部の環境が決して良くないのは今に始まったことではありませんが、せめてそういうシビアな校正をするときだけでも使えるように色見台を導入しようという話になりつつあるようです。

あとはこの校正システムの変更が効率アップによるクオリティダウンにつながらないよう祈る(いや、気をつける?)ばかりです。
コメント
この記事へのコメント
このシステム導入で最初のうちは良し悪しは多少は有りそうですが、進歩への1歩には間違い有りません。良い方向に進んでいると考えて宜しいのでは(^_^)
>網点再現できないタイプだとモアレ確認が出来ない 。
これは運良くクレームが来たことが無いだけで、って感が大いに感じられるのは私だけ(^_^;)

校正紙と最終印刷の差を編集者の経験値での赤入れで直る?って言う所は、銀塩の時代の名残かグリーンかシアン等に転んで無くて、肌色がこれくらいだったらと言う目視での許容値・・。一番大事な部分がアナログ化されている所に何時も疑問を感じている私(^_^)このシステム導入で良いお話を聞けることを楽しみにしております。

追)今日送られてきた掲載紙が墨が載って酷くて・・ちょっとショックな私。。どんなにマネージメントしても上手くいかない所も少々有りますが、何だかんだデジタルは良いですね。こういう前に進もうとする環境変更はデジタル環境をさらに向上させてくれる事でしょうね・・向上したら良いな・・あれ?(^_^)
2007/02/04(日) 15:21:07 | URL | ハナポンパパ #mQop/nM.[ 編集]
ところで「仕上がり(印刷)が悪い」ページの撮影者が外注のフリーカメラマンであった場合でも、このような展開になることはあるのでしょうか?印刷会社は同じように答えるでしょうか?また今までと違う校正のスタイルをわざわざ提案するでしょうか?技術的な事はもちろんですが、その辺の事も気になります。

いろいろな結果報告、楽しみにしております。
2007/02/05(月) 23:47:36 | URL | animato-mtn #aXvzjISo[ 編集]
>ハナポンパパさん
モアレについては「運良くクレームが来たことが無いだけ」な面もあるでしょうし、目立つものが出てしまったら印刷所判断で直してしまうこともあるのかもしれません。
「校正紙と最終印刷の差を編集者の経験値での赤入れで直る?」のシステムはまだまだしばらくは続くのでしょうが、デジタルでアシストできる部分は少しでも利用して、その差が減るといいのですが。
多忙な現代の編集者に赤入れスキルの向上は望めないと思いますし。

墨っぽくなることはよくありますね。
とある編集者は
「ある印刷所にデジタルをまかせると必ず色校が墨っぽくなる。そこからあれこれ指示してもCMYKに変換したあとの状態をいじるだけなので悪くなる一方。なので、どんなに変な光の条件でもポジで撮ってもらうことにしている。そのほうがしっかり直るから。」
という持論をお持ちでした。
確かにその方は相当苦労されたそうで。
「こっちがどんなに気をつけていても印刷所が黙って新しいインクを導入していて単行本一冊まるまるひどい色になったことがある」なんてことも伺いました。
ポジ志向の編集者もそれだけ説得力をお持ちの方なら納得する部分もあります。

>animato-mtnさん
「外注のフリーカメラマンさんが~」の場合は微妙かもしれませんね。
先方もいろいろ考えた上でお話くださっているのでしょう。

私の書き方が悪くて誤解を与えてしまいましたが・・・
実は今回の校正スタイルは私のクレームがあったから、ではなくてちょうどその時点で既にテストが決まってまして、編集部・製作部と印刷所でスピードアップ・コストダウンの面でお互いメリットがあると感じたための提案導入なんだと思います。
2007/02/06(火) 12:46:02 | URL | wan-wan #fVG31C5s[ 編集]
もしかして、以前書き込んだかも知れませんが、私が聞いた話では、分解版の作り方で差が出ることがあるそうです。
モニタの見た目くらいでは、分からないそうですよ。
忙しい作業の中で、CMYKの情報をチェックするのはまれで、CMYKになっていればそのまま流れていくそうです。
でも、変換するプロファイルによって、CMYKの比率が異なるそうで、Kが多くなる変換をしていると、CMYの情報が少ないので、レタッチが効かないそうです。
ポジの場合は、見えるものがあるし、もしダメならまたスキャンからやり直すんじゃないですか?
2007/02/06(火) 13:04:27 | URL | yukinyaa #-[ 編集]
そーなんですよね、きっと。
「Kが多い変換」に問題があるのでは?
を一番疑ってしまいます。
2007/02/06(火) 22:53:40 | URL | wan-wan #fVG31C5s[ 編集]
まったく同感です。
先日、とある印刷会社の社内デザイナーに「前回のデータでは仕上がりが墨っぽかったので今回は明るく撮ってください」って言われた。彼にとって「暗い」と「墨っぽい」は同じ事らしいが、僕には理解できなかったので「僕のデジカメはRGBで記録するので撮影時にK版をコントロールするって概念そのものが無いんですよ~」って言って帰ってきましたが何となく不安で、その夜ハナポンパパさんに電話で相談(愚痴?)しました。
そういえば以前にも別の印刷会社の営業マンにK版ぐらいフォトショップでチャンネル別に確認すればわかるだろ!って言われて、カメラマンがK版の確認なんていちいちしねーよ!って言い返したら、仕事切られました。その営業マンの名刺にはDTPエキスパートなんとか・・・って肩書きついてましたよ。で何が腹立つって、その場に何人ものカメラマンがいたのに誰もその発言についてコメントしなかった事。
いづれにしてもKの存在は僕にとって鬼門なんですよね。
2007/02/06(火) 23:41:29 | URL | animato-mtn #aXvzjISo[ 編集]
オフとニューグラ間で、cmykでデバイスリンク!
解決策はこれだ。

k版の話はしかり。
2007/02/07(水) 08:37:30 | URL | 捨身な人 #O24v7Kjk[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2007/02/07(水) 09:53:42 | | #[ 編集]
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